[PCT] ePCTの利用(1)

WIPOのサービス

前回、次のバージョンのインターネット出願ソフトが、eOwnershipに対応するという内容を紹介しました。今回は、eOwnershipを活用するためのePCTを紹介します。WIPOが提供するサービスは、いろいろとありますが、ePCTのアカウントがあればPCT出願の様々な処理が可能です。ただ、注意しなければならないのが、ePCTは、WIPOの国際事務局(International Bureau。以下、「IB」)が提供するサービスなので既に国際段階に移行しているということを念頭に置かなければいけません。日本国特許庁が受理しただけの状態ではないので、受理官庁(Receiving Office、以下、「RO」)のできることとIBができることは明確に違うことを理解しておいてください。

ePCT

ePCT private seviceの最初のタブ画面は、[ePCT]で、設定画面です。ログイン後にどの画面を開くか設定します。私の場合は、特に変更した記憶はあるませんが、[ワークベンチ]が選択されています。右端には「サポート情報」という形でマニュアルが色々リンクされています。

eOwnership

次のタブ画面は、[eOwnership]です。名前の通りeOwnershipに関する画面です。[eOwnership権限を取得すると自動的にeHandshake相手ユーザに付与される既定の権限]、[eOwnershipの取得]、[電子出願ソフトウェアのeOwnershipコードの請求]の3つの設定がありますが、詳しくはマニュアルを参考にしてもらうとして、ここでは、eOwnershipに関する機能に絞ります。元々前回の記事にしたようにeOwnershipの機能に魅せられて利用しているePCTサービスなので、eOwnershipの機能を優先します。

[eOwnershipの取得]では、出願番号、出願日、及び請求コードの入力を要求します。出願番号及び出願日は、文字通りを入力すればよいのですが、請求コードは、IBからの通知書が必要です。必要な通知書は、IB/301で名称は「記録原本の受理通知」です。例えば、日本国特許庁をROとして、出願した場合、特許庁長官は、一定の内容を確認したら、願書等のコピーを取り、国際事務局IBに原本を送付しなければなりません。そして、原本を受け取ったIBは、受理官庁RO及び出願人に原本を受け取った旨の通知を送ります。これが、記録原本の受理通知です。この記録原本の受理通知には、出願番号等の情報が記載されていますが、通知紙面の右下に小さくコードが書かれています。これがeOwnershipの取得で使用される確認コードです。出願人にしか送られない記録原本の通知IB/301なのでeOwnershipの取得に使えるわけです。しかし、実際には、インターネット出願ソフトで日本国特許庁で出願した案件は、すぐにはeOwnershipを取得できないと表示されます。PCT出願を国際事務局IBに直接提出した案件に有効のようです。どうしてもeOwnershipを取得したい場合は、「eOwnershipを申請しますか?」との質問が出てくるので、そこで「請求する」とすれば、実際に出願人又は代理人であればeOwnershipが取得できます。1件1件請求しなければならないので非常に手間でした。

次に[電子出願ソフトウェアのeOwnershipコードの請求]についてです。2016年12月31日以前は、PCT-SAFEというオンライン出願ソフトで出願したPCT出願は、eOwnershipコードを請求することができます。その出願の際に、記入するコードが、このeOwnershipコードです。[コードを請求]ボタンをクリックすると、[カスタマーID]及び[eOwnershipコードが表示される画面が表示されるので、その値をPCT-SAFEに入力して、出願します。2017年1月1日から利用可能なインターネット出願ソフトVer[i2.90]では、インターネット出願ソフトでもeOwnershipコードの入力ができるようになります。PCT-SAFEとインターネット出願ソフトの利用率は、およそ1対4(2013年出願案件)なので、より多くの人がeOwnershipを容易に利用できるようになると思われます。次回のインターネット出願ソフトのバージョンアップは、とても楽しみです。

通知・利用履歴

次のタブ画面は、[通知]と[利用履歴]です。ePCTからの通知やeOwnershipの取得等の履歴が表示されます。ePCTから1件ごとにeOwnershipを請求する場合、通知やその利用履歴が記録されます。

次は、ポートフォリオやワークベンチなのですが、長くなったのでこの辺で次回に回します。次回がようやくeOwnershipの本質ですね。乞うご期待を。

 

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