[PCT] インターネット出願ソフトのeOwnership対応

Ver[i2.90] (2017.1.1リリース)

インターネット出願ソフトが、2017年1月1日に新しいバージョンになることがアナウンスされました。私が一番気になったところは、ePCT eOwnership権限取得の申請に対応したことです。ePCTは、WIPO(The World Intellectual Property Organization)が提供しているPCT出願案件に対して、電子的アクセスを提供するサービスです。「WIPOのデータ提供と言えば、WIPOの国際公開で既にアクセスできるのではないか?」とお思いになる方もいらっしゃるかと思います。国際公開は、優先日(出願日)から1年半経過したときに万人に向けて明細書等を公開するシステムです。今回のePCTは、出願の時から出願人や代理人限定で、国際公開前の案件にもアクセスができるシステムです。更に、ISR(International Search Report)やその翻訳が、テキストを読める形で取得することができるのもメリットです。今までOCRを使って電子化等を行っていた出願人・事務所などにとっては、非常に有益なツールではないでしょうか。

ePCT private service

ePCTは、出願人等であれば誰でも使えます。サービスとしては、2つの形態で提供されています。今回紹介するのは、WIPOが提供する電子証明書を申請し、取得することで、上記機能すべてが使える「ePCT private service」です。詳しくは、「ePCTスタートガイド(PDF)」を参照してください。以下に簡単な手順を記載します。まずはePCTのpublic serviceでアカウントを作成し、ログインします。ログインをすると、右端に「My Certificates」というサービスが表示されますので、クリックすると、左図のような画面が表示されます。右下に「WIPO Digital Certificate」というリンクがあるのでクリックすると、電子証明書を申請するための画面が表示されます。画面にしたがって申請を行うと、3,4日後に電子証明書が発行されたのでダウンロードするようにとメールが届きます。これも指示通り、ダウンロードするとInternet Explorerに電子証明書がインストールされます。この電子証明書をUploadするボタンでアップロードを行えば、ePCT private serviceが利用できるようになります。

eOwnershipの申請

ePCT private serviceにアクセスできるようになったら、次は、eOwnershipの申請の方法です。2017年1月1日以降に新しいインターネット出願ソフトをインストールしてください。そしてPCTの願書や出願書類を作成し、出願時の[送信ファイル作成]をクリックしたときに表示される[権限取得画面]にデータを入力します。入力するデータは、[ePCT カスタマーID]及び[ePCT eOwnershipコード]です。このデータは、出願時に案件ごとに入手して入力する必要がありそうです。案件ごとに所有者を特定しなければならないので当然かもしれませんね。

ePCT カスタマーIDとeOwnershipコード

ePCT カスタマーIDとeOwnershipコードを取得するには、ePCT private serviceにログインした後、[eOwnership]タブをクリックしてください。[eOwnership]タブの一番下に、[Request Code]ボタンがあるので、そのボタンをクリックしてください。するとePCT カスタマーIDとeOwnershipコードとがセットになった画面が表示されます。この画面に表示されたePCT カスタマーIDとeOwnershipコードとを先に記載したインターネット出願ソフトのPCT出願時の入力枠に入力します。そして、出願作業を行えば、ePCT private serviceから案件にアクセスすることができるようになると思います(まだ試したことがないので推定です)。

Workbenchタブ

ePCT private serviceの[Workbench]を開くと、eOwnershipを有する案件が表示され、そのうちの一つの案件を選択すると、PCT出願案件の詳細が更にタブとして表示されています。ここでは、[File View]をキャプチャしましたが、その他、PCTの進捗がわかる[Timeline]、国際公開のフロントページとして表示される[Bibliographic Data]の下書きを見ることができます。公開前のフロントページは、「下書き」という透かしが付き、国際公開番号は未定のまま作られています。この段階でエラーが見つかれば修正が可能かもしれませんね。

まとめ

今日は、新しく提供されるインターネット出願ソフトの新しい機能と、連携するePCTのサービスの紹介を行いました。ePCTのeOwnershipサービスは、今までもPCT-SAFE(2016年12月28日に使用不可)で利用できていましたが、今回からはインターネット出願ソフトで対応することになり、より多くの出願人や代理人が利用されるのではないでしょうか。もし興味を持ってもらった出願人様等にとって参考になれば幸いです。

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